Q1.材料力学とはどのような学問か。

Q2.弾性係数とはどのような係数か。

Q3.ひずみゲージとは何か。

Q4.疲労とはどのような現象か。

Q5.クリープとはどのような現象か。

Q6.応力集中とはどのような現象か。

Q7.応力解析にはどのような方法があるか。

Q8.剛性とは何か。

Q9.許容応力とは何か。


Q1
材料力学とはどのような学問か。


A1
材料の変形特性、強度などの諸性質を必要な環境下で調べるとともに、機械や構造物に加わる外力が、それを構成する各部材にどのような作用を及ぼすか、特に部材内にどのような力や変形が生じるかを理論および実験の両面から調べる。また部材内の力や変形が機械、構造物の健全性や安定性にどのような効果をもたらすかを明らかにし、さらにそれらを総合して機械や構造物の設計を最も合理的かつ経済的に行おうとするための科学である。材料力学は基礎工学の主要な柱となる学問である。

Q2
弾性係数とはどのような係数か。


A2
材料に応力が加わると、ひずみを生じる。比例限度以下では応力はひずみに比例し、この比例定数を弾性係数、または弾性定数あるいは弾性率ともいう。

Q3
ひずみゲージとは何か。


A3
材料に生ずる微小なひずみを電気信号として検出するもので、金属抵抗線またははく、半導体などの電気抵抗がひずみによって変化する現象を利用した電気抵抗ひずみゲージがよく用いられる。ひずみを電気量に変換して測定するので、遠隔操作や記録化が容易で、静的および動的ひずみはもとより、塑性ひずみも測定することができる。

Q4
疲労とはどのような現象か。


A4
1回の負荷では破壊しない荷重でも、荷重を繰返し加えると、最初に材料中に不可逆な塑性変形により微小き裂が発生し、このき裂が成長して、やがて部材が破壊する。通常、疲労にともなう部材の変形は小さく、疲労の進行を検出することが難しく、破断が突然に生じて機械および構造物の事故につながることが多い。このため、長期にわたって使用する機械や構造物の設計あるいは信頼性の保証のためには疲労に対する対策が不可欠である。

Q5
クリープとはどのような現象か。


A5
物体が力を受け、変形が時間とともに進行する現象を広義にはクリープという。狭義には一定荷重あるいは一定応力のもとで時間とともに進行する変形をいう。このような時間依存変形によって生じたひずみをクリープひずみという。クリープは、金属、セラミックス、高分子材料、コンクリートなどの多くの材料で生じ、一般に高温・高応力下でより著しい。

Q6
応力集中とはどのような現象か。


A6
構造物中に穴や切欠などがあり、一様な形状が変化する場合にはその部分で応力分布が乱れ、一般に局所的に応力が増大する。このような現象を応力集中という。応力集中の程度を表現するには最大応力を基準となる応力(公称応力)で除した値(応力集中係数)を用いる。公称応力としては応力集中がないとして最小断面積などから求めた応力を用いる。

Q7
応力解析にはどのような方法があるか。


A7
種々の与えられた条件のもとで、物体内部に生ずる応力分布や変動を求めるための各種の解析のことを応力解析という。応力解析法には、理論的に厳密解を求める方法、計算力学による数値的な解法および種々の応力測定による実験応力解析などがある。

Q8
剛性とは何か。


A8
任意の断面形状を持つ物体または機械要素が外力を受けた場合に変形しやすいかどうかの変形抵抗を表しこわさともいう。材料自身の示す弾性変形抵抗は弾性係数(縦弾性係数E、横弾性係数G、ポアソン比ν)を用いて表示されるのに対して、これは断面形状を考慮した変形抵抗を意味する。ねじりに対してはねじり剛性、曲げに対して曲げ剛性、引張りに対して伸び剛性が用いられ、それぞれGIpEIEA(ただし、Ip:断面二次極モーメント、I:断面二次モーメント、A:断面積)で表される。

Q9
許容応力とは何か。


A9
構造物に作用する応力がこの値を超えなければ、破壊や大変形などが生じず構造物が安全にその機能を発揮できる最大の応力。その値は使用する材料、製作方法、荷重の種類、使用条件などによって一般に異なる。通常は部材の引張強さ、曲げ強さ、降伏点、耐力、座屈応力など部材の機能を喪失させる応力値すなわち基準強さを定数で除して小さくした値として与えられる。基準強さと許容応力の比を安全率、許容応力に対応する荷重を許容荷重と呼ぶ。