Q1. 工程管理の各機能を作成する際の順序について、もう少し詳しく教えて下さい。
Q2. どういった立場の人が手順計画の作成を行うのですか。
Q3. 負荷計画を策定する際、負荷率を100%に調整すべきなのですか。
Q4. 負荷計画は、どういった期間スケールで策定されるのですか。
Q5. 日程計画には、大日程計画・中日程計画・小日程計画の3つがあるそうですが、必ず3つ作成しなければいけないのですか。
Q6. 小日程計画の作成手法として、日程展開方式と作業順序付け方式がありますが、それぞれの特徴を教えて下さい。
Q7. 生産計画は、誰が作成するのでしょうか?
Q8. 建設業では、(1)総合生産計画、(2)基準生産計画、(3)資材所要量計画はそれぞれ、(1)マスタープラン(着工から竣工までの全体基本工程)、(2)3ヶ月または月間工程、(3)週間工程に相当すると考えてよいのですか。また、建設業の場合の、アイテム、ファミリー、タイプの分類の定義は何でしょうか。
Q1.
工程管理の各機能を作成する際の順序について、もう少し詳しく教えて下さい。
A1.
工程管理の計画機能には、手順計画、負荷計画、日程計画などがあります。一般的にこれらの計画機能は、経営計画などの大枠の計画に基づいて、手順計画→負荷計画→日程計画の順序で策定されます。言い換えると、より詳細で現場よりの計画にブレイクダウンされていくプロセスであると言えます。これらは、単独で作成されることは少なく、各々の問題点をフィードバックしながら、連携を取って実施されることが多いようです。
進行管理は生産活動の準備を行うと共に、指示状況を把握し、必要があれば対策を行います。工程管理の第一目的は納期の遵守であることから、日程計画や進行管理などの管理機能が中心になると考えられます。
Q2.
どういった立場の人が手順計画の作成を行うのですか。
A2.
従来、手順計画の作成は、検討の困難さから一部の習熟した担当者に任されてきました。しかし近年では、より合理的な生産を実現するために、手順計画の自動化が進められています。
機械加工作業を対象とした工程設計の自動化システムには、CAPP(Computer Aided Process Planning)があり、編集型CAPP・創成型CAPPなどがあります。
このような自動化により、工程に精通した人でなくても計画可能であり、計画者によるばらつきなどが減少する効果があります。
Q3.
負荷計画を策定する際、負荷率を100%に調整すべきなのですか。
A3.
最適な負荷バランスは負荷率100%ですが、日常的に起こる様々な生産活動の変動に対処することができるように、現実的にはある程度の余裕を持たせた計画にすることが重要です。
Q4.
負荷計画は、どういった期間スケールで策定されるのですか。
A4.
負荷計画の単位期間としては、週・日・時を用いることが一般的です。
Q5.
日程計画には、大日程計画・中日程計画・小日程計画の3つがあるそうですが、必ず3つ作成しなければいけないのですか。
A5.
必ず3つ作成しなければいけないということはありません。特に小規模の工場などでは、大枠の日程計画と詳細な日程計画の2種類である場合もあります。
Q6.
小日程計画の作成手法として、日程展開方式と作業順序付け方式がありますが、それぞれの特徴を教えて下さい。
A6.
小日程計画の立案担当者は、各職場の生産管理スタッフですが、実際の作業の進捗を把握している現場リーダーに最終的な調整を任せる場合があります。
日程展開方式は、工程間の仕掛りをある程度認め、仕事の割付けや作業順序を現場の進行管理に任せる場合に適しています。ですから、融通が利きやすく、作業順序付け方式と比較して簡易的な手法であると言えます。
一方、作業順序付け方式は、数理的な最適解(近似解)を求める方法なので、複雑で作業数が多い場合には、コンピュータによる計算で求める必要があります。
Q7.
生産計画は、誰が作成するのでしょうか?
A7.
多くの場合、総合生産計画は大枠の生産過程を見ることができるという理由のため、部門管理者が作成します。しかし、基準生産計画や資材所要量計画は現場寄りの計画であるので、工場責任者が作成します。
Q8.
建設業では、(1)総合生産計画、(2)基準生産計画、(3)資材所要量計画はそれぞれ、(1)マスタープラン(着工から竣工までの全体基本工程)、(2)3ヶ月または月間工程、(3)週間工程に相当すると考えてよいのですか。また、建設業の場合の、アイテム、ファミリー、タイプの分類の定義は何でしょうか。
A8.
期間の面から見て、総合生産計画=マスタープラン、基準生産計画=月間工程、資材所要量計画=週間工程と考えてよいでしょう。
一方、アイテム、ファミリー、タイプというのは一つの概念であって、必ずそのように呼ばなければならないというものではありませんので、業種によっても異なるものです。またこれらは、大量生産型の工場や農場での概念であると言えます。そのため、建設業では、マンションやプレハブなどにはある程度通じる概念かも知れませんが、一般的にはそのような概念は無いと考えられます。