Q1. 標準原価を用いた原価管理の問題点としては、どういったものがありますか。


Q2. 活動基準原価計算(ABC)では、コストドライバーとしてどのような変数を用いるのですか。


Q3. 原価企画で目標原価を設定する際には、対象は自らが製造するものだけでいいのですか。


Q4. VE(Value Engineering)では、機能を定量的に扱っていますが、どのようにして機能を定量化するのですか。


Q5. 設備計画は製造業に特有のものなのですか?


Q6. 設備保全に関する情報システムとは、具体的にどのようなものですか。


Q7. TPM展開の8本柱とはなんですか?




Q1.
標準原価を用いた原価管理の問題点としては、どういったものがありますか。


A1.
ここでは、2つの問題点を紹介します。
まず、1つ目です。
標準原価は、生産工程に従って順次加工がなされていく中で発生する原価を積み上げることにより算出されます。これは、従来の生産管理方式が、前工程が生産した生産物を後工程に送り込むシステムであることを前提とした考え方です。ですが、トヨタによるJIT(Just In Time)方式のように、後工程が前工程の生産物を必要なだけ引き取り、前工程は引き取られた分だけ補充するという方式が取り入れられるようになってきています。JIT方式の成功により、標準原価が持つ原価低減の効果に疑問があるという指摘もあります。
次に、2つ目です。
近年では、顧客のニーズが多様化していることや、FA(Factory Automation)化が進んでいることもあり、直接費が減少し間接費が増大しています。標準原価では、直接費を主な管理対象としてきましたので、標準原価による原価統制に限界があると指摘されています。

Q2.
活動基準原価計算(ABC)では、コストドライバーとしてどのような変数を用いるのですか。


A2.
資源ドライバーの例としては、1つのアクティビティを実行するなかで行われる作業回数や作業時間などが挙げられます。また、活動ドライバーの例としては、アクティビティの年間発生回数などが挙げられます。
しかし、コストドライバーとして設定する変数は、一般的には業種や業態によって異なります。ですから、どのような変数にするかは明確には決まっていません。現場作業者にとっての分かり易さや原価削減目標としての適切さから決定することが重要です。

Q3.
原価企画で目標原価を設定する際には、対象は自らが製造するものだけでいいのですか。


A3.
目標原価は、部品ごとの段階まで展開して設定されます。これらの部品の段階でも、自らが製造する部品と外注部品に分けて考えられますが、外注部品についても目標とする仕入れ値を考慮する必要があります。

Q4.
VE(Value Engineering)では、機能を定量的に扱っていますが、どのようにして機能を定量化するのですか。


A4.
VEにおける機能の定量化手法には、絶対的評価と相対的評価があります。
絶対的評価では、例えば熱交換器における熱交換量のように、機能として既に定量化して扱えるものを用いる場合などがあります。主な方法として、実績価値標準法、理論的価値標準法、機能比較法、属性比較法、主観的見積法、セリ市法などがあります。
相対的評価としては、評価対象の機能を一対比較することにより、機能に対する順位や重みの程度をもって機能評価値とする場合などがあります。主な方法としては、FD法、DARE法などがあります。

Q5.
設備計画は製造業に特有のものなのですか?


A5.
製造業では、生産性の高い活動を続けるために、設備の更新時期や新設備の設計や製作などに関する計画の検討を重要な日常業務として行っています。しかし製造業以外でも、設備に要する費用は人件費などと並び大きな項目であることは言うまでもありません。電力会社の送電施設、運送会社のトラックなど、導入する設備の性能や数量を計画することは経営の根幹に関わる重要な事項です。事務作業を行うにしても、パソコンやコピーの性能や導入台数を決定することは、業務効率とコストという相反する目標を考えることであり、重要な問題です。

Q6.
設備保全に関する情報システムとは、具体的にどのようなものですか。


A6.
従来は、保全に関する予算、資材、日程等の計画と進捗を管理することが主体でした。このようなシステムでは、それぞれの機能に対応したサブシステムとデータベースにより構成されることが一般的です。近年では、設備の状況をリアルタイムでモニタリングし、その蓄積データから最適な保全計画を策定して設備保全を支援することも行われるようになってきています。

Q7.
TPM展開の8本柱とはなんですか?


A7.
TPMの目的を達成するために必要な8つの活動のことです。
1.設備効率化のための個別改善
2.自主保全体制づくり
3.保全部門の計画保全体制づくり
4.運転・保全の技能教育訓練
5.初期管理体制づくり
6.品質保全体制づくり
7.管理間接部門の効率化体制づくり
8.安全・環境の管理体制づくり
これらの活動を、TPM展開の8本柱と呼んでいます。日本プラントメンテナンス協会のホームページでは、TPMに関する様々なQ&Aが紹介されていますので、参考にして下さい。