Q1. 従業員に如何にインセンティブを与えるかが重要と言われていますが、その意味するところを教えて下さい。


Q2. 芸術家や作家など特殊な業種を除いて、人は個人ではなく組織で仕事をしています。何故、組織で仕事をするのでしょうか?


Q3. リーダーシップとは何ですか。


Q4. 「人材」に関して、2:6:2の理論というものがあるそうですが、どういうものですか?


Q5. 日本における企業内教育訓練の特徴としてどのようなことが挙げられますか?


Q6. 目標管理制度を導入したいと考えていますが、その際にどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?


Q7. QCサークルは小集団活動だということですが、他のQCサークルを知る機会はありませんか?大規模に発展させる方法はありませんか?


Q8. インセンティブの与え方で、管理型タイプには自己実現型インセンティブを与えるのがよいという説明がありましたが、例えば、部下に対して自己啓発の意欲が本人に沸くような指導をしたいとき、本人のタイプが管理型タイプではない場合に、自己実現型インセンティブを与える方法をとるのは誤った対応なのでしょうか。



Q1.
従業員に如何にインセンティブを与えるかが重要と言われていますが、その意味するところを教えて下さい。


A1.
インセンティブは、人の労働意欲や達成意欲を沸き立たせるミナモトのことです。従業員の労働意欲は企業の業績に直結するので、インセンティブの問題は組織管理者の大切な仕事です。最初に思いつくインセンティブは給料ですが、支払うことのできる給料には限度がありますし、人は給料だけで働くものではありません。他の人から評価されたい、仲間と仕事するのが楽しい、会社の理念に共感している、仕事が終わると達成感がある、などなど様々です。こうしたインセンティブを上手に組み合わせて従業員に与えるようにすることが、組織管理のポイントです。

Q2.
芸術家や作家など特殊な業種を除いて、人は個人ではなく組織で仕事をしています。何故、組織で仕事をするのでしょうか?


A2.
個人だけで仕事をするよりも、組織で仕事をするほうが、より大きな目標を達成することができる場合が多いからです。組織で仕事をすれば、適材適所、得意の能力を発揮することができますし、相互の良好な人間関係や競争意識が仕事への意欲を高めることにつながるのです。

Q3.
リーダーシップとは何ですか。


A3.
リーダーシップとは、一般的には、人が人に及ぼす影響力のことを言いますが、組織管理の分野では、組織の代表、内外環境の洞察、目標や成果の明確化、メンバーへの動機付け、組織の維持、成果の達成といったリーダーが担うべき機能全体のことを指します。

Q4.
「人材」に関して、2:6:2の理論というものがあるそうですが、どういうものですか?


A4.
2:6:2の理論というのは、蟻の生態研究から発生したものです。群れとして動きまわる蟻の動きを注意深く観察すると、餌を運ぶなどの働いている蟻が2割、まったく動かない蟻が2割、残りの6割の蟻はその周りをぐるぐる回っています。
組織においても同様の構造であると考えれば、働いている蟻に例えられる上位の2割を企業の財産と捉え、6割の中間層を開発の対象として捉えます。これまでの企業内教育の大きなテーマは、この中間に位置する6割の層の底上げが大きな目的ということになります。
 この2:6:2理論に基づく育成方法が組織的に最も有効的に機能してきたのがいわゆるマニュアル経営(チェーン展開)です。中央集権体制で本部(2割)に権限を集中させ、マニュアルで店舗(6割)を動かすという方法です。しかし、この結果として画一的な人材ばかりを生み出してしまうことも指摘されています。

Q5.
日本における企業内教育訓練の特徴としてどのようなことが挙げられますか?


A5.
従来からの日本型企業内教育は、OJTに代表されるように、仕事を通じてその組織や部署に特有な知識や能力の向上に重点を置いた教育が為されてきました。結果として、その組織だけでしか通用しない能力や技能を蓄積することになっていると言えます。
しかし、最近では労働市場で広く通用する能力(employability)を獲得することの重要性が認識されるようになり、教育訓練もそのような方向に変わっていくものと思われます。

Q6.
目標管理制度を導入したいと考えていますが、その際にどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?


A6.
目標管理制度(MBO ; Management By Objective)は、1954年にピーターF.ドラッカーが「現代の経営」で提唱した経営システムです。留意すべき点には、次のようなものがあります。
・ 目標管理制度は経営システムであり、人事評価制度ではないことを理解すること。
・ 明確な目標設定(できれば定量的な)を行うこと。
・ 経営システムは一つであり、ISO活動やTPM活動などの様々な経営システムと統合すること。
・ 経営トップにも目標管理を徹底すること。
・ 目標到達度評価を透明かつ客観的に行うこと。

Q7.
QCサークルは小集団活動だということですが、他のQCサークルを知る機会はありませんか?


A7.
広く行われているものとして、QCサークル大会というものがあります。QCサークル大会とは、QCサークル活動の事例発表、工場見学、現場討論会、スライドの上映などを大人数で行うための大会です。利点としては、活動を総括し反省する機会にできること、プレゼンテーション能力の向上、相互に学びあう相互啓発などがあります。
また、QCサークル交流会がありますが、これは他の職場、工場、もしくは他社に訪問して話し合う場を持つことです。実施に際して注意すべきことは、相互訪問すること、相互啓発の目的を強く持つこと、同じ人ばかりで実施しないこと、特に初期は会社の規模・労働条件・職場状況などが似たところを選択することなどです。

Q8.
インセンティブの与え方で、管理型タイプには自己実現型インセンティブを与えるのがよいという説明がありましたが、例えば、部下に対して自己啓発の意欲が本人に沸くような指導をしたいとき、本人のタイプが管理型タイプではない場合に、自己実現型インセンティブを与える方法をとるのは誤った対応なのでしょうか。


A8.
説明では、一般的に最も有効と考えられるインセンティブを紹介しています。ただし、相手が人間である以上、マニュアル的なインセンティブの与え方が適切であるはずはなく、人の特性に応じてバランスよく与えることが重要であると説明しています。ですから、レッスンで挙げたもの以外の方法が誤った対応であるとは言えませんし、相手の性格などにより場合によっては最も良いこともあり得ます。