Q1. 情報管理において、情報分類がなぜ重要なのですか。


Q2. 情報開示という言葉をよく耳にしますが、なぜ情報開示が重要なのですか。


Q3. なぜ知的財産権を保護する必要があるのですか。


Q4. 以前、ビジネスモデルは特許の対象ではなかったそうですが、近年になってなぜ、ビジネスモデルも特許の対象となったのですか。


Q5. 継続的に新たな知を創造していくためには、どのようなことが重要なのでしょうか。


Q6. 緊急時の危機管理が適切に行われないと、どんな問題が発生しますか。


Q7. 緊急時の情報分析・判断で重要なことは何ですか。


Q8. 緊急時の情報伝達で重要なことは何ですか。


Q9. 先発明権は、どのような証拠を持って先発明と認定されて、特許が当事者に与えられるのですか。また、世界の各国では、先発明権を採用している国が多いのでしょうか。


Q10. 著作権は米国のものが日本にも適用されるとありますが、他の知的所有権も国を越えて保護されるのですか。また、そうした場合、国別の認定機関ではなく、国家統一機関(例えばISO )が必要であると考えますが、現状はどのようになっているのですか。


Q11. インターネットで自由に取りこめるプログラムソフトを、会社で使用するコンピューターにインストールした上で多少改造して、業務用書類の作成に活用することは、著作権の侵害に当たるのでしょうか。


Q12. 個人使用のために著作物の紙データをコピーして利用する場合、コンビニエンスストアのコピー機(大衆が使用する複写機)での複写は、著作権の侵害に当たるのでしょうか。


Q13. ビジネスモデル特許は,必ず自然法則を利用した技術的創作であることが必要ということでしょうか。必ずしも自然法則を利用しているとは限らないと思うのですが。



Q1.
情報管理において、情報分類がなぜ重要なのですか。


A1.
組織内の様々な意思決定において適切な決定を行うためには、必要に応じて迅速に情報が収集・処理され、意思決定者に届けられる必要があります。そのためには、管理すべき情報が体系的に整理されている必要があります。例えば、収納物がきちんと分類・整理されていない引出しからは、必要なものがすぐに探せないことと同じです。
以上のような理由から、組織内の情報を体系的に整理するために、情報分類の考え方が重要となります。

Q2.
情報開示という言葉をよく耳にしますが、なぜ情報開示が重要なのですか。


A2.
組織には、活動の健全性に関する説明責任や、環境アカウンタビリティのような社会的な説明責任があります。また、投資家や顧客、消費者等が、その組織に関する投資や取引、商品の購買に関する意思決定を行う場合には、組織に関する情報が必要となります。このため、組織の外部に対して、必要な情報を正確に開示することが求められます。このような外部からの要請という点で、情報開示は組織にとって重要と言えます。
それ以外にも、最近では、情報開示は戦略手段の1つとして認識されるようになってきています。例えば、情報開示が組織の社会的信頼性向上や製品・サービスへの理解に結び付くこと等があり、組織にとってもメリットのある活動と言えます。

Q3.
なぜ知的財産権を保護する必要があるのですか。


A3.
知的財産権の対象となる発明や考案は物ではないため、盗まれないようにしたり、盗難を発見することは、容易ではありません。権利を侵害されないためには、秘密にして誰にも教えないことが一番近道かもしれません。しかし、それでは、発明者本人も発明や考案などを利用できなくなります。更に、同じ発明や考案などを考えるために他人も同じような労力や経費をかけるという無駄も生じます。つまり、知的財産権は侵害されませんが、誰も得をせず、社会にとっては大きな損失となります。
このため、発明者や考案者、著作者などの権利を保護しつつ、発明や考案などを社会のために役立てるための制度が必要となります。各種の各知的財産権について対して権利を保護するための法律や制度が存在するのはそのためです。

Q4.
以前、ビジネスモデルは特許の対象ではなかったそうですが、近年になってなぜ、ビジネスモデルも特許の対象となったのですか。


A4.
特許制度は、当初は、あるアイデアを具体的に実現する「ハードウェア」や「装置」などの発明を保護するものでした。しかし、あるアイデアを実現するためには、何らかの「技術」に依存することになります。しかし、情報技術を利用すれば、「ハードウェア」を新しく発明しなくても、ネットワークなど既存のハードウェアを利用して、アイデアを実現できるようになりました。
このような理由から、インターネットやコンピュータを利用したビジネスの方法であれば、従来のモノや技術に関する発明とともに、特許の対象として認められるようになりました。

Q5.
継続的に新たな知を創造していくためには、どのようなことが重要なのでしょうか。


A5.
継続して知を活用し、新たな知を創造していくためには、知のサイクルを回すことが重要です。このような知のサイクルモデルについては、幾つかのモデルがあり、どれが最適であるかということは言えません。
知のサイクルモデルには、野中および紺野らのモデルや、ダベンポートおよびプルーサックのモデル、米国ゼロックス社のモデル、IBMとロータス社のモデル等があります。野中および紺野らのモデルは、新たな暗黙知や形式知を創造することに注目しています。これに対して、ダベンポートおよびプルーサックのモデルは、知の「創造、獲得」から、新たな価値を生み出す「活用」に至るまでのプロセスに注目しています。
このような知のサイクルモデルについて理解を深め、知のサイクルモデルに基づいたナレッジ・マネジメント・システムを導入することが重要です。

Q6.
緊急時の危機管理が適切に行われないと、どんな問題が発生しますか。


A6.
緊急時における情報管理が適切に行われないと、住民の避難が遅れたり、問題のある製品の回収が遅れるなど、被害が更に拡大する場合があります。また、トップが実際と異なる説明を行うといった失態に結び付く場合もあります。組織に原因がある問題が発生した場合には、直接的な結果だけでなく、その後の対応により組織の社会的信頼性が失われることもあります。
組織として、また社会としての被害を最小化するためにも、緊急時においても適切な情報管理を行う必要があります。

Q7.
緊急時の情報分析・判断で重要なことは何ですか。


A7.
幾つかあると思いますが、緊急時の特徴を理解して、限られた時間と情報の中でのより正確で迅速な分析・判断を行い、具体的な対応に結び付けることが大切です。
そのためには、以下のような事項が重要となります。
・ 判断すべき事項の把握
・ 守るべきものの優先順位
・ 判断材料
・ 判断基準の明確化
・ 判断に必要となる情報の把握
・ 判断の材料となる情報の分析
・ 役割分担
・ 代替者の選定

Q8.
緊急時の情報伝達で重要なことは何ですか。


A8.
色々あると思いますが、緊急時に実際に情報伝達が可能なように準備をしておくことが重要なことです。そのためには、想像力が必要であり、既存の計画や準備で実際に伝達できるのか、効果が期待できるのか、という自問自答を繰り返すことです。
例えば、普段利用している連絡経路で間に合うのか、伝達手段は本当に使えるのか、使えなくなるのはどういう条件か、うまくいかない場合のためにバックアップが必要か、ということがあります。
実行性(実際にできるか)や実効性(実際に効果があるか)という観点で計画等をチェックすることは、緊急時の情報伝達に限ったことではなく、緊急時の情報管理、または危機管理全般に共通することです。

Q9.
先発明権は、どのような証拠を持って先発明と認定されて、特許が当事者に与えられるのですか。また、世界の各国では、先発明権を採用している国が多いのでしょうか。


A9.
現状では、先願主義が日本を含む世界共通の考え方になっており、米国のみが先発明義を採っています。米国の考え方は、個人や中小企業は費用が掛かる特許出願を迅速に行うことが難しく、先願主義では個人発明家等が不利益になるという、個人発明家尊重ということです。先発明の証拠はケース・バイ・ケースですが、裁判になった場合は、文書記録や周囲の証言で判断することになると考えられます。

Q10.
著作権は米国のものが日本にも適用されるとありますが、他の知的所有権も国を越えて保護されるのですか。また、そうした場合、国別の認定機関ではなく、国家統一機関(例えばISO )が必要であると考えますが、現状はどのようになっているのですか。


A10.
世界各国の特許制度は、歴史や産業発達程度などによって異なりますが、各国特許制度の協調のため、国連を中心に各国特許制度の統一が進められています。60ヶ国以上が加盟する特許協力条約では、特定の国におけるひとつの国際出願で同時に多数の国に出願した効果が得られることを定めています。現在、特許調和条約は準備中ですが、これは世界知的所有権機関が中心になり、特許制度統一を目指すものです。

Q11.
インターネットで自由に取りこめるプログラムソフトを、会社で使用するコンピューターにインストールした上で多少改造して、業務用書類の作成に活用することは、著作権の侵害に当たるのでしょうか。


A11.
インターネットで配布されているプログラムにも、改変禁止のもの、著作権を放棄したもの、使用に多少の金銭を要求するシェアウエアなど、様々なものがありますので、一概には言えません。個別に判断することになります。

Q12.
個人使用のために著作物の紙データをコピーして利用する場合、コンビニエンスストアのコピー機(大衆が使用する複写機)での複写は、著作権の侵害に当たるのでしょうか。


A12.
著作物にも依りますが、購入した本などを個人使用のためにコピーすることは問題ありません。しかしながら、個人使用であっても、図書館で借りた書籍を丸ごとコピーするといった行為は問題があります。コピー機の所在がどこであるかは関係ないでしょう。

Q13.
ビジネスモデル特許は,必ず自然法則を利用した技術的創作であることが必要ということでしょうか。必ずしも自然法則を利用しているとは限らないと思うのですが。


A13.
ビジネスモデルに限らず、特許というものは、法律で「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と明確に定義されています。ビジネス方法においてもこれは変わりなく、情報処理がハードウエアを用いて具体的に実現されているものがこの基準を満たす、といった解釈が為されています。「自然法則」という概念を、より広く適用する方向で考えていくとよいでしょう。