Q1. 環境権というのは公的に認められたものなのですか?


Q2. 環境アセスメントでは、住民の意見を取り入れることが求められていますが、該当する事業の中心となる地域の住民でなければいけないのですか。


Q3. 環境アセスメントの結果を踏まえて事業内容に変更を加える必要がある場合は、どのような手続きになるのでしょうか。


Q4. LCAの影響評価の手法には、どのようなものがありますか。


Q5. LCAでのデータ収集の際に、様式の例はあるのですか。


Q6. LCAのデータ収集の際に留意すべき点には、どのようなことがありますか。


Q7. LCAの影響評価では、どのような手法が提案されていますか。


Q8. LCA と環境マネジメントシステムとの関係について教えて下さい。



Q1.
環境権というのは公的に認められたものなのですか?


A1.
司法の立場から見た場合、環境権そのものの存在を認める判例もあり、また基本的人権としての環境権は認められているという考え方もあります。しかし、私法上の権利としての環境権については、現在のところ裁判所は認めていません。

Q2.
環境アセスメントでは、住民の意見を取り入れることが求められていますが、該当する事業の中心となる地域の住民でなければいけないのですか。


A2.
「住民」に対する地域的な限定はなく、環境の保全上の意見であれば誰でも意見することができます。

Q3.
環境アセスメントの結果を踏まえて事業内容に変更を加える必要がある場合は、どのような手続きになるのでしょうか。


A3.
軽微な変更ならば、必要に応じ追加調査などを実施し、手続きを続行しても構いません。しかし、大幅に事業内容を変更する場合は、環境影響評価方法書の作成に戻って手続きを再実行することになります。

Q4.
LCAの影響評価の手法には、どのようなものがありますか。


A4.
現在では、影響評価の手法は国際的にも研究段階にあり、コンセンサスが得られた方法は確立されていません。実際に影響評価を行う際には、様々な既存の評価方法がありますので、それらを参考にするとよいでしょう。
既存の評価方法としては、オランダのエコインジケーターなどが有名ですが、その他にスイスのエコポイント方式、ドイツの潜在的作用手法などが提案されています。

Q5.
LCAでのデータ収集の際に、様式の例はあるのですか。


A5.
書式については、ISO14041で書式の例が挙げられています。

Q6.
LCAのデータ収集の際に留意すべき点には、どのようなことがありますか。


A6.
データ収集の手法は、対象となる単位プロセスや、データの種類によってそれぞれ異なるので、データ収集の前に手法の標準化を行うことが望ましいでしょう。

Q7.
LCAの影響評価では、どのような手法が提案されていますか。


A7.
オランダのPre社が開発した「エコインディケーター99」、スイス環境庁(BUWAL)などが開発した「エコポイント法」、スウェーデン産業連盟とボルボが共同開発した「EPS(Environment Priority Strategies for Product Design)」などがあります。

Q8.
LCA と環境マネジメントシステムとの関係について教えて下さい。


A8.
ISO14000 シリーズには、以下5つの規格群があります。
・環境マネジメントシステム(ISO14001,14004 )
・環境監査(ISO14010 〜14015 )
・環境ラベル(ISO14020 〜14025 )
・環境パフォーマンス評価(ISO14030 〜14032 )
・ライフサイクルアセスメント(ISO14040 〜14048 )
このうち認証規格であるのはISO14001 だけであり、その他はガイドラインを示す規格であると言えます。
LCA と環境マネジメントシステムの関係について言うと、LCA は、製品及びサービスに適用する環境影響評価のための支援技法です。例えば、ある企業が自社の工場で製造する製品について、その環境影響を評価するための手法の一つとして、LCA を用いる場合があります。この場合は、その企業の環境マネジメントシステムの一環に、製品の環境影響評価手法としてのLCA を採用し規定しているに過ぎず、ISO14001 で示す環境マネジメントシステムの要求事項とそれほど大きな関係があるとは言えません。