Q1.蒸留塔は、塔頂より塔底の温度が高いため、塔底温度での物質の熱安定性を把握しておけばよいのですか?

Q2.前段の工程が停止して蒸留塔への液供給が停止した場合、塔内温度が急上昇しないのですか?

Q3.化学物質のエネルギー危険性にはどのようなものがありますか?

Q4.どうして過メタノールが生成して蓄積したのですか?

Q5.過酸化物が蓄積しやすい物質とはどのようなものですか?

Q6.異常反応や蓄熱を引き起こす不純物とはどのようなものですか?

Q7.蒸留工程の安全設備・機器にはどのようなものがありますか?


Q1
蒸留塔は、塔頂より塔底の温度が高いため、塔底温度での物質の熱安定性を把握しておけばよいのですか?


A1
塔底温度はもちろんのこと、リボイラーの熱源温度は塔底温度より高いので、安全をみて熱源温度での検討が必要です。また、熱源として水蒸気(スチーム)を使用し、配管で水蒸気を減圧している場合は、圧力調節が故障した場合を想定して、元圧(その飽和温度)での検討を推奨します。また、充填塔を保全の目的で開放する場合、十分冷却しておかないと、有機物や自然発火性物質で表面が覆われた充填物が空気にさらされて発火する危険性があります(表面積も大きい)。したがって自然発火性の検討も必要です。

Q2
前段の工程が停止して蒸留塔への液供給が停止した場合、塔内温度が急上昇しないのですか?


A2
液供給が停止しても、蒸留塔内には常に還流液が流下しているため直ちに液切れすることはありませんが、安全対策としては、塔内温度上昇を検出して還流量を増やしたり、原料供給停止でリボイラースチームを遮断するインターロック(安全計装システム)を設置する方法が考えられます。

Q3
化学物質のエネルギー危険性にはどのようなものがありますか?


A3
以下のように分類されます。
分解危険性 発災事象としては分解による爆発。エネルギー発生の引き金になるのは光や熱、不純物そして衝撃や摩擦といった機械的刺激である。分解危険性が高い物質にはニトロ基や、過酸化結合など特異な官能基をもつものが多い。
重合危険性 突発的な重合によってモノマーの急激な気化や解重合を引き起こす。代表的な重合性物質にはアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニルなどがある。
引火危険性 支燃性気体中(または酸化性物質との混合)で点火源により燃焼する危険性。
発火危険性 発火性物質には空気との接触によって発火するモノシランのような特殊材料ガス、黄リンのような発火性固体、そして蓄熱性物質とがある。
禁水性 水と反応して高いエネルギーや可燃性ガスを発生する物質。アルカリ金属、アルキルアルミニウムなど。
混合危険性 混合によって発火したり、高い熱を生成する危険性。
反応危険性 反応暴走を起こしたり、反応性物質を生成する危険性。


Q4
どうして過メタノールが生成して蓄積したのですか?


A4
スルホン化に用いた無水硫酸がメタノールと反応し、メチル硫酸を生成し、それが過酸化水素によって過メタノールとなったものです。反応式は以下の通り。
SO3+CH3OH → CH3OSO3H(メチル硫酸)
CH3OSO3H+H2O2 → CH3CO-OH(過メタノール)+H2SO4

Q5
過酸化物が蓄積しやすい物質とはどのようなものですか?


A5
テトラヒドロフランのようなエーテル化合物や2-ブタノールなどの2級アルコールは、貯蔵中や溶剤として循環利用するときに過酸化物が生成して、蒸留により濃縮爆発することがあります。

Q6
異常反応や蓄熱を引き起こす不純物とはどのようなものですか?


A6
事故原因になる不純物(微量成分)には錆の成分である鉄の酸化物、その他の金属化合物やアルカリ、酸などがあります。時には予期しない有機物が危険な反応の引き金になることもあります。

Q7
蒸留工程の安全設備・機器にはどのようなものがありますか?


A7
過熱や過圧に対する検知・制御機器、安全弁、緊急遮断装置、インターロック(安全計装システム)のほか、必要に応じて防爆構造をとることもあります。