項目 |
保全の必要性 |
1.システム機能の複雑化 |
システム、機能が複雑、多岐にわたってきた。その結果従来レベルでの信頼度では故障の発生頻度が増え、しかもその原因究明に多くの時間を要し、設備の休止期間が増加する。 したがって、信頼性を高め、故障の発生頻度を従来以下に減らす必要性が生じ、そのための保全(予防保全)が重視されるようになった。 |
2.新技術・新材料の開発と新製品の拡大・増加 |
新技術、新材料の開発のテンポが進み、それらを取り入れた新製品が拡大、増加の傾向にある。
その結果上記の1に述べたようにシステム、機能が複雑多岐にわたってきているのみならず、市場に出てからトラブルやクレームなをみて対策するのでは間に合わない。
したがってそれらの要素部品にも事前の評価や試験をして、高い信頼性を折り込むことが要求されるようになった。 |
3.製品賠償責任(PL : Product Liability) |
ひとたび製品欠陥による事故が発生すると、メーカーは責任を負わなければならない。
メーカーに対する責任の追及は厳しくなってきており、それに国の法律が消費者保護基本法、消費生活用製品安全法などにより、被害者の保護に重点が置かれているからである。
エレベーター、エスカレーターは、大衆と深く結びついているので、その安全性を第一と考えねばならない。
PLの思想は悪かった製品を取り替えまたは改善するにとどまらず、そのために生じた当事者のけが、生命、財産の損害についても、その一生の期間弁償するという大きな問題を含んでおり、メーカーの存続を危うくするようなことにつながるおそれがある。 このようなことにならないように、製品の信頼性の向上が最重視されている。
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4.信頼性の保証 |
製品の信頼性、安全性は抽象的に訴えるだけでは顧客を満足させることはできない。 具体的に、初期故障率や呼出故障率といった数値で定量的に把握し、納得性のあるデータの蓄積とその改善が必要である。 |
5.サービスの向上 |
エレベーター、エスカレーターを利用する顧客は、製品知識に乏しくまた、利用上のソフト知識(利用者の安全確保の方策、事故の予防策など)の蓄積も少ないのが普通である。
これらの顧客に対して製品の使用上の正しい知識を与え、保険会社が永年にわたって蓄積してきた、利用上のソフト知識を客に提供することが、信頼性、安全性確保のためには不可欠である。 |