FAQ
Q1.エレベーターのロープが切れるとどうなりますか。

Q2.エレベーターの中に閉じこめられたときにはどうすればいいのですか。

Q3.エスカレーターでも事故が起こることがありますか。

Q4.エレベーターに使用する電気の種類は何ですか。

Q5.世界一短いエスカレーターとは。

Q6.その他の変わり種エスカレーター。

Q7.リモート制御はどのような手順で行うのですか。

Q8.ギアレスマシンのメリットは何ですか。

Q9.直流と交流の違いは何ですか。

Q10.なぜ高速エレベーターでドラムブレーキが使われるのですか。

Q11.ディスクタイプとボールタイプを使い分けるのはなぜですか。

Q12.戸開閉装置の電動機には何を使いますか。

Q13.乗る人数に関係なくきちんと着床するのはなぜですか。

Q14.かごを待つ間に乗場の戸を開けることはできますか。

Q15.つり合いおもりの重さはどうやって決めるのですか。

Q16.停電の時かごの中の電灯はどのくらい持ちますか。

Q17.ワードレオナード制御と静止レオナード制御の違いは何ですか。

Q18.なぜ交流エレベーターが用いられるのですか。

Q19.誘導電動機になぜ滑りが必要なのですか。

Q20.2〜3台の場合でも運転手付運転にできますか。

Q21.なぜ誘導電動機を用いるのですか。

Q22.エレベーターの台数はどうやって決めるのですか。

Q23.人がたくさん乗ってもエスカレーターのスピードが変化しないのはなぜですか。

Q24.移動手すりはどうやって動かすのですか。

Q25.エレベーターの維持管理は誰が行うのですか。

Q26.エスカレーターの維持管理は誰が行うのですか。

Q27.保全が重要になった社会的な背景とは何ですか。

Q28.なぜインバーターを用いるのですか。

Q29.高層ビルの全てのフロア数を1台がカバーするとどうなりますか。

Q30.不快感を与えない加速度はどのように決められたのですか。

Q31.ダイナミックブレーキングのメリットは何ですか。

Q1
エレベーターのロープが切れるとどうなりますか。


A1
万一ロープが切断したときなどには、調速機(ガバナ)が異常を感知し、非常止め装置が働いてかごを安全に停止させます。
非常止め停止装置はエレベーターの最高速度によって動作方法が異なります。
  1. 早利き非情止め装置-毎分45m以下のエレベーターの場合
  2. それぞれの異常を感知すると同時に作動し、ほぼ瞬時にかごを停止させます。ただし高速のエレベーターを瞬時に停止させると、かごへの衝撃が大きいため、この装置は定格速度が毎分45m以下のエレベーターに限って取り付けられます。

  3. 次第利き非情止め装置-毎分45mを超えるエレベーターの場合
  4. 毎分45mを超えるエレベーターを瞬時に停止させると、かごへの大きな衝撃が加わってかえって危険です。そのため高速のエレベーターが異常を感知した際には、制動力を徐々に高め、一定速度以下に減速させてから制動力を一気に高めて停止させる装置が取り付けられます。

    これらの安全装置は下記の法令によって定められています。

    建築基準法施行令 第129条の10
    建設省(国土交通省)告示1423号
    第2・四.かごの降下する速度が第二号に掲げる装置が作動すべき速度を超えた場合(かご定格速度が45メートル以下のエレベーターにあっては、かごの降下する速度が同号に掲げる装置が作動すべき速度に達し、又はこれを超えた場合)において毎分の速度が定格速度に相当する速度の1.4倍(かごの定格速度が45メートル以下のエレベーターにあっては、68メートル)を超えないうちにかごの降下を自動的に制止する装置(かごの定格速度が45メートルを超えるエレベーター又は斜行式エレベーターにあっては次第ぎき非常止め装置、その他のエレベーターにあっては早ぎき非常止め装置又は次第ぎき非常止め装置に限る。)

Q2
エレベーターの中に閉じこめられたときにはどうすればいいのですか。


A2
故障や停電などでかご内にとじ込められた場合を想定して、エレベーターにはビルの管理人室や警備室等と連絡のできる通話装置(インターホン)が設置されています。万が一エレベーターの中に閉じこめられたときには、この通話装置を使って状況を説明して救出を待ちます。
なおエレベーターは気密構造ではなく十分な通気性が保たれていますので窒息の心配はありません。
また、停電などによってエレベーターが停止した場合は、ただちに非常用バッテリーが起動して非常用照明が点灯します。かご内がまっ暗になることはありませんので、落ち着いて外部と連絡をとり救出を待ちます。
なお法令では30分間以上の点灯が定められています。(建築基準法施行令 第129条の10)

Q3
エスカレーターでも事故が起こることがありますか。


A3
エスカレーターで起こる代表的な事故としては、エスカレーター内での転倒、ステップとステップガードの間に衣服などが挟み込まれる、移動手すりの入り込み部に手やものなどが挟み込まれる、などがあります。
これらの事故に対する予防対策として、次のような安全装置の設置が義務づけられています。
  • 乗り口に、非常停止スイッチが設けられている。
  • エスカレーター内での転倒事故などがあった場合、すみやかに運転を停止できるように、非常停止スイッチが設けられている。非常停止スイッチは乗り口付近に設置されている。


  • ステップとスカートガードの間に利用者の衣服等がはさまれると、自動停止する。
  • ステップとスカートガードの隙間を完全になくすことはできません。その隙間への巻き込まれ等で事故を誘引しないように、巻き込み、挟み込みを検知すると、エスカレーターは自動的に停止するのである。

  • ハンドレール(移動手すり)の入り込み部に異物が挿入されると、自動停止する。
  • お子様が誤って手を挟み込まれるなど、ハンドレール(移動手すり)の入り込み部(インレット)への異物の挿入が検知されると、自動的に停止して重大事故の発生を回避するのである。

この他にも、停電や故障などで、動力(モーター)がストップした場合の対策として、動力の切断と同時にブレーキが掛かり、エスカレーターの下降を止めて危険を回避するようになっている。

Q4
エレベーターに使用する電気の種類は何ですか。


A4
電気には「直流」と「交流」があります。普段使用している乾電池やバッテリーは直流で、電力会社から一般家庭や工場に給電されている「商用電源」は交流の代表的なものです。
直流電源は電圧が一定で極性は変化しません。
一方交流電源は電圧の極性が周期的に変化し、1秒あたりの極性の変化の回数を周波数(Hz:ヘルツ)と呼びます。
交流電源の代表的なものである「商用電源」には「単相交流」と「三相交流」があります。電力消費量が比較的少ない一般家庭では単相交流が用いられ、大電力を使用する工場、ビルなどでは三相交流が用いられています。

Q5
世界一短いエスカレーターとは。


A5
川崎・岡田屋モアーズにある「スーパーミニエスカレーター」が世界一短いエスカレーターとしてギネスブック(91年度版)に登録されています。
川崎アゼリア(地下街)の地下通路がモアーズの地下1階と2階の間に位置してしまい、解消策として導入されました。
高さはわずか83.4cm、ステップ数は5段。乗ってから降りるまでの時間は5秒という短さです。
『プチカレーター』という愛称で親しまれているそうです。

Q6
その他の変わり種エスカレーター。


A6
中間水平部付エスカレーターやスパイラルエスカレーターの他にも、空間デザインの多様化に対応してさまざまな変わり種のエスカレーターが登場しています。
その一例をご紹介しましょう。
  • 水平部が長いエスカレーター

  • 水中エスカレーター

  • 乗降水平部が長いエスカレーター

  • 空中エスカレーター

  • つり下げ式エスカレーター

Q7
リモート制御はどのような手順で行うのですか。


A7
現代の制御盤はマイコン化が進み、ネットワーク経由で管制センターなどが遠隔監視を行っています。 そのため、万が一の故障時には制御盤が故障をセンターに自動的に通報します。エレベーター内に人が閉じこめられているような場合には、センターにいる管制員などのサービス担当者が遠隔からインターホンで中にいる人に対して適切な指示を出すようになっています。 同時に故障時の運行データを自動的に収集・解析し、原因をつきとめ、専門技術者へ通報し対応にあたらせます。 部品の交換や調整を必要としない軽度の故障については、遠隔操作で復旧させます。

Q8
ギアレスマシンのメリットは何ですか。


A8
ギアレスマシンはギアがないため振動や騒音が小さく、効率も高いことから高速機種に適しているといえます。 ただし、電動機の低速回転時に大きな回転力が必要なこと、かごなどのつり下げ荷重の全重量が電動機の軸にかかることなどから、同じ出力のギアードマシンの電動機に比べて電動機自体のサイズが大きくなります。

Q9
直流と交流の違いは何ですか。


A9
直流形の電動機は固定子と回転子の両方がコイルになっていて、双方のコイルに直流電流を流すことで電磁力を発生し、回転子が回転します。 直流式の電動機の特長には、次のようなものがあります。
1)回転子に流れる電流に比例してトルクが発生するため、速度制御がしやすい。
2)大きな瞬時トルクが得られる。
3)回転モーメントが小さく設計できる。 逆に短所として、回転子に電気を送るために「ブラシ」という固定接点と金属製の「整流子」という移動接点をこすり合わせながら電気を供給するため劣化しやすい、専用の発電機を必要とするため高価になりやすい、などが挙げられます。

一方、交流形の電動機は回転子に電流を流さず、固定子側に三相交流電流を流します。 特長としては、構造が簡単で低価格、ブラシと整流子がないため故障が少ないなどのメリットがある一方で、広範囲に回転数を変化させることが苦手なので速度制御が難しいというデメリットがありました。 しかし、VVVF制御装置が登場したことによって交流電動機も直流電動機と同じような回転特性を得られるようになったため、現在では交流電動機が主流になっています。

Q10
なぜ高速エレベーターでドラムブレーキが使われるのですか。


A10
ディスクブレーキは、装置を比較的コンパクトにすることができ、冷却効果に優れているというメリットがある反面、制動の利き始めが若干弱く自己倍力作用がないことによる制動力が弱いというデメリットがあります。
一方、ドラムブレーキは構造的に自己倍力作用を持ち、強い制動力を発揮することができますが、設備が大きくなりやすいというデメリットがあります。 高速エレベータを導入するような高層建築物では、スペース的には比較的ゆとりがあるためスペース的なデメリットが問題にならないため、ドラムブレーキを用いることが多いのです。

Q11
ディスクタイプとボールタイプを使い分けるのはなぜですか。


A11
性能および経済性を考慮して、ディスクタイプガバナは中・低速エレベータに、ボールタイプガバナは高速エレベーターに適用されています。

Q12
戸開閉装置の電動機には何を使いますか。


A12
戸開閉装置の電動機には、これまでは直流電動機が用いられてきましたが、最近ではVVVF制御の交流電動機が用いられるようになっています。

Q13
乗る人数に関係なくきちんと着床するのはなぜですか。


A13
エレベーターでは、かごの位置を正確に検知するためにいくつかの仕組みが用いられています。 1つは電動機の主軸端に設置されたロータリーエンコーダーのパルスをマイコンが演算処理することでかごの位置を検出しています。この位置情報をもとにエレベーターのかごを正確に行き先の階に着床するように制御しています。 また、かごには位置検出装置が取りつけられており、昇降路内に設置された遮蔽板と向かい合ったときに動作する仕組みもまた正確に着床することに役立てられています。

Q14
かごを待つ間に乗場の戸を開けることはできますか。


A14
基本的にできません。
エレベーターの乗場の戸は、建築基準法施行令第129条の10(エレベーターの安全装置)第3項の第一号、第二号に規定されているように、かごが昇降するには、かご及び昇降路の戸が全て閉じていなければならず、かごが停止していない階の出入口の戸は、かぎを用いなければ外から開くことができない装置を備えなければなりません。 また、エレベーターが停止していない階の乗場ドアが開き放しになっていると非常に危険であることから、何らかの開放措置がとられていない階の乗場ドアは自動的に閉じる「戸閉め」機構がついています。

Q15
つり合いおもりの重さはどうやって決めるのですか。


A15
つり合いおもりの重さ(W1)は、かごの自重(W2)と積載荷重(W3)とを足した重量とバランスをとり、次のように決められます。
W1=W2+W3×40〜50%
また、かごの位置によってメインロープのかご側にかかる荷重とおもり側にかかる荷重が変化するため重量バランスが崩れてしまいます。特に昇降行程が長くなるとその影響は大きくなります。このメインロープのアンバランス重量を補正するために用いるロープをつり合いロープといいます。

Q16
停電の時かごの中の電灯はどのくらい持ちますか。


A16
建築基準法施行令第129条の10第3項第四号ロに「停電の場合においても、床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置」の規定があります。この明るさは30分以上確保されなければなりません。
それを実現するために、一般的に常時充電形のバッテリー電源をかごの上に備えています。

Q17
ワードレオナード制御と静止レオナード制御の違いは何ですか。


A17
ワードレオナード制御と静止レオナード制御の違いは、簡単に言えば電動発電機を使用するかしないかです。
電動発電機を使用して交流電源を直流電源に変換するのがワードレオナード制御です。
一方、電動発電機を使用せずサイリスタを使用して交流電源を直流電源に変換するのが静止レオナード制御(サイリスタレオナード制御とも呼ぶ)です。

Q18
なぜ交流エレベーターが用いられるのですか。


A18
直流電源は電圧を容易に変換できるため、乗り心地や着床制度を優先するエレベーターに採用されてきました。しかし、交流モーターに比べ高価でしかもメンテナンス性が悪く、制御機器も複雑になるため高層建築などでの導入に限定され、普及型には向きませんでした。
一方交流電動機では、インバーター制御技術の向上によって電源周波数をきめ細かく制御できるようになり、直流電動機に匹敵する乗り心地や着床制度を実現できるようになったため、交流電動機が主流になってきました。

Q19
誘導電動機になぜ滑りが必要なのですか。


A19
かご形の導体を流れる誘導電流によって磁極が生じて回転子が回転し続けるためには、かご形導体には常に誘導電流が流れている必要がある。しかし、回転子が回転磁界と同じ速度で回転するようになると電流は流れなくなってしまう。そこで回転磁界よりも少し遅く回ることで、磁界の中をかご形の導体が動いている状態を保つ必要がある。このため、回転磁界と回転子の回転速度の差=「滑り」が必要になる。

Q20
2〜3台の場合でも運転手付運転にできますか。


A20
できます。
複数台のエレベーターのうち一部または全てのエレベーターを運転手付運転に切り替えることができます。切り替えられたエレベーターは1台のエレベーターを運転手付運転に切り替えたときと同じ運転になります。

Q21
なぜ誘導電動機を用いるのですか。


A21
誘導電動機は回転磁界によって回転するため、回転子側に電流を供給する整流子やブラシを必要としない。また、かご形の回転子にはコイルすらなく、積層鉄心に導体の棒が埋め込まれているシンプルで丈夫な構造をしている。
これらのことより、電動機を構成する部品が少なく構造も簡単で耐久性が高いという特長を持ち、安価で効率的なことからエレベーターの電動機をはじめ様々な分野で幅広く用いられている。

Q22
エレベーターの台数はどうやって決めるのですか。


A22
建築会社や設計事務所が設計段階で、建物用途、予想される在館人員、建物レイアウトにより利用者の流れをシミュレーションすると共に、建設費用等を勘案し決定されます。

Q23
人がたくさん乗ってもエスカレーターのスピードが変化しないのはなぜですか。


A23
エスカレーターを動かしている電動機の力の大きさ(=トルク)は、乗客数が最大になったときを想定して設定されています。逆に言えば乗客が少ないときでも電動機は最大限の力でエスカレーターを動かしているのです。

Q24
移動手すりはどうやって動かすのですか。


A24
エスカレーターの移動手すりは、手すり駆動ローラーとプレッシャローラーとで移動手すりを挟み、プレッシャローラーが手すり駆動ローラーに移動手すりを押しつけることで生まれる摩擦力を利用して駆動する方法が用いられています。

Q25
エレベーターの維持管理は誰が行うのですか。


A25
建築基準法では第8条に「維持保全」、第12条に「報告、検査等」について定められています。

建築基準法 第8条 (維持保全)

1.建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
2.第12条第1項に規定する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を議じなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。
第12条 (報告、検査等)

3.昇降機及び第6条第1項第1号に掲げる建築物その他第1項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

Q26
エスカレーターの維持管理は誰が行うのですか。


A26
エレベーターの維持管理同様、建築基準法第8条に「維持保全」、第12条に「報告、検査等」について定められています。

Q27
保全が重要になった社会的な背景とは何ですか。


A27
昇降機に対する信頼度の向上が求められるようになった技術的・社会的背景を表に示します。

項目 保全の必要性
1.システム機能の複雑化 システム、機能が複雑、多岐にわたってきた。その結果従来レベルでの信頼度では故障の発生頻度が増え、しかもその原因究明に多くの時間を要し、設備の休止期間が増加する。
したがって、信頼性を高め、故障の発生頻度を従来以下に減らす必要性が生じ、そのための保全(予防保全)が重視されるようになった。
2.新技術・新材料の開発と新製品の拡大・増加 新技術、新材料の開発のテンポが進み、それらを取り入れた新製品が拡大、増加の傾向にある。 その結果上記の1に述べたようにシステム、機能が複雑多岐にわたってきているのみならず、市場に出てからトラブルやクレームなをみて対策するのでは間に合わない。
したがってそれらの要素部品にも事前の評価や試験をして、高い信頼性を折り込むことが要求されるようになった。
3.製品賠償責任(PL : Product Liability) ひとたび製品欠陥による事故が発生すると、メーカーは責任を負わなければならない。 メーカーに対する責任の追及は厳しくなってきており、それに国の法律が消費者保護基本法、消費生活用製品安全法などにより、被害者の保護に重点が置かれているからである。 エレベーター、エスカレーターは、大衆と深く結びついているので、その安全性を第一と考えねばならない。
PLの思想は悪かった製品を取り替えまたは改善するにとどまらず、そのために生じた当事者のけが、生命、財産の損害についても、その一生の期間弁償するという大きな問題を含んでおり、メーカーの存続を危うくするようなことにつながるおそれがある。
このようなことにならないように、製品の信頼性の向上が最重視されている。
4.信頼性の保証 製品の信頼性、安全性は抽象的に訴えるだけでは顧客を満足させることはできない。
具体的に、初期故障率や呼出故障率といった数値で定量的に把握し、納得性のあるデータの蓄積とその改善が必要である。
5.サービスの向上 エレベーター、エスカレーターを利用する顧客は、製品知識に乏しくまた、利用上のソフト知識(利用者の安全確保の方策、事故の予防策など)の蓄積も少ないのが普通である。
これらの顧客に対して製品の使用上の正しい知識を与え、保険会社が永年にわたって蓄積してきた、利用上のソフト知識を客に提供することが、信頼性、安全性確保のためには不可欠である。

Q28
なぜインバーターを用いるのですか。


A28
設備規模が小さくて済み、比較的低コストで導入が可能な交流電動機のメリットは大きいが、その構造上の特性から、交流電源の周波数によって回転数が決定してしまうことから制御が困難であった。
そこで任意の電圧、任意の周波数の電源を得ることが可能なインバーターを用いることで交流電動機のきめ細かい制御が可能となり、交流電動機の欠点を補うことができる。

Q29
高層ビルの全てのフロア数を1台がカバーするとどうなりますか。


A29
各フロアで発生する呼びに対し応答が遅くなります。(エレベーターを呼んでもなかなか来ない状態)

Q30
不快感を与えない加速度はどのように決められたのですか。


A30
人間工学的な要素を考慮し、加速度等を決めてます。
概ね0.7m/s2〜1.0m/s2で設計されています。

Q31
ダイナミックブレーキングのメリットは何ですか。


A31
機械的な制動ではなく電気的な制動のため、温度や湿度等に影響されることが無く、着床時の段差発生が少ない。