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なぜ、こんなことに マンガで学ぶ求人・求職事例

Case.15

面接で落ちるのは応募者だけじゃない!?

コマ1 コマ2 コマ3 コマ4

※ これは事実を元に構成したフィクションです。

Trouble Shooting

マンガ解説

面接官の不快な対応
求人公募において面接は、求人機関が応募者の適正を判断する場であると同時に、応募者が求人機関を見定める場でもあります。ここで応募者に不快な印象を持たれてしまうと、応募者によっては他の求職者に求人機関のよくないイメージを広めてしまう場合があります。

このマンガでは、応募者からクレームが届くという結果となりましたが、面接での様子を見るにその原因は、やはり面接官の態度と言動に不快感を持たれたからだと考えられます。では、何がNGだったのでしょうか。

まずは居眠り。これは論外なのですが、実際にない話ではありません。おまけにこの面接官は清潔感を欠いた身なりをしていますが、その姿は応募者に対してあまりに失礼です。また、別の面接官のソファにふんぞり返る横柄な態度も、応募者に対して礼儀を欠いています。

そして、面接官の質問内容も面接の場では不適切なものとなっています。採用選考にあたっては、応募者の適性・能力のみで判断しなければなりません。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」によると、適性と能力に関係がない「本人に責任のない事項」や「本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)」を面接で尋ねて把握することは、就職差別に繋がる恐れがあります。「父親の最終学歴」は本人の責任のない事項であり、「愛読書」は本来自由であるべき事項にあたります。これらの言動は、応募者に不快な印象を与えるばかりでなく、場合によっては労働局の指導・啓発を受ける事態にも発展しかねません。

なお、以前から、応募者の耐性を観察するために圧迫面接が用いられることは少なくありません。しかし今日では、面接官による高圧的な態度と不適切な言動は、パワーハラスメントと捉えられ、社会的非難を受けることが多くなってきています。トラブルを避けるためにも、応募者が不快に感じる態度・言動はできる限り控えたほうがよいでしょう。

求人機関の順守ポイント
応募者にとって面接官は、求人機関の顔ともいえる存在です。関心を持ち、時間をかけて公募に臨んでくれた応募者に感謝の気持ちが必要です。仮に不採用とした場合でも、その人材と将来どんな繋がりができるか分かりません。丁寧で誠意ある対応を心がけてください。
Comment

専門家コメント

日本国憲法では、基本的人権の一つとしてすべての人に「職業選択の自由」を保障しています。「職業選択の自由」=「就職の機会均等」、誰でも自由に自分の適正・能力に応じた職業を選択することができます。この考え方を実現するために、求人機関には、応募者に広く門戸を開いたうえで適正、能力のみを基準として「公正な採用選考」を行うことが求められています。
職業安定法指針「平成11年労働省告示第141号」の「第2(均等待遇)」の「差別的取扱いの禁止」では、求人側が応募者の適性・能力に関係のない事柄について応募用紙に記入させたり、面接で質問するなどによって、これらの情報を把握することに対して注意喚起をしています(公正な採用選考の基本)。
これらの事項を採用基準としないつもりでも、把握すれば結果としてどうしても採否決定に影響を与えることになり、就職差別に繋がる恐れがあります。就職差別を行った場合は人権問題等で機関の信用問題に発展することもありますので、公正な採用選考が重要です。

特定社会保険労務士 松林 慎二

Terms

用語解説

公正な採用選考の基本
事業主が応募者の基本的人権を尊重した公正な採用選考を実施するために、厚生労働省が定めた指針です。
(厚生労働省ウェブサイト「公正な採用選考の基本」 :
http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
職業安定法
職業の安定を図ることを目的とし、労働者の募集・職業紹介・労働者供給についての基本的なルールを定めた法律です。
(e-Govウェブサイト「職業安定法」 :
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO141.html
労働省告示第141号
労働省(現・厚生労働省)が平成11年に告示した、労働者を募集または雇用する際の労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取り扱い、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針です。
(厚生労働省ウェブサイト「平成11年労働省告示第141号」 :
http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/dl/saiyo1a.pdf

※これは掲載時点での情報です。雇用制度は法律改正に伴い、変更される場合があります。最新の情報を常に確認するようにしてください。


2017年3月 制作