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なぜ、こんなことに マンガで学ぶ求人・求職事例

Case.11

書類不備の原因は?

コマ1 コマ2 コマ3 コマ4

※ これは事実を元に構成したフィクションです。

Trouble Shooting

マンガ解説

独自様式の応募書類
JREC-IN Portalの求人公募情報では、多くの場合、履歴書に取得学位や所属学会など一般的な求人にはない記載が求められます。そのため、求人機関ごとに独自様式の応募書類を用意している場合があります。求職者は応募先によって異なる記入項目にその都度対応しなければなりません。そういった記入項目の中には、求職者がどのように記入すればよいのか悩むものがあります。

このマンガで求職者が頭を悩ましているのは、「担当授業の評価」という項目です。この項目は、求人機関が用意した応募様式の中にありました。応募様式は、準備する時間がないという理由で、教員の業務管理で使用している書類から転用しています。求人機関側にとっては、普段よく目にしているもので、「担当授業の評価」とは大学で実施している授業評価を記載するものだと、当たり前のように考えていたのかもしれません。しかし、求職者にとっては、応募書類として不自然な記入項目であるうえに、記入例が添付されていないため、自己評価を記入すればいいのか、学生や教員など他者からの評価を記入すればいいのかが分からないものとなっています。採用担当者が意図どおりではない記載の多さに嘆く結末となっていますが、その原因は求人機関側の準備不足と配慮の欠如にあったといえます。

求人機関へのお願い
このマンガのように、応募者から送付される書類に不備が多い場合は、応募書類の様式自体に不備があるのかもしれません。求人機関が当然だと思っていることも、求職者にはそうではない場合があります。独自様式を使用する場合は、できる限り求職者が何を記載すればいいのか理解しやすい様式の書類を作成することが必要です。そして、記入例も併せて用意すると応募書類のミスが少なくなります。応募書類の様式および記入例の作成は時間がかかる作業かもしれません。しかし、最初に分かりやすい様式を作成しておくと、求職者から不備のない応募書類の提出が見込め、後々の選考がスムーズになることでしょう。

JREC-IN Portalでは、求人機関、求職者の双方で作業効率化が図れるよう、履歴書と業績リストの様式を用意しています。可能であればJREC-IN Portal様式の利用をお考えください。
Comment

専門家コメント

求人機関側は、求人活動を効率化するために書類選考がとても重要となります。書類選考では、多数の応募書類を見てその職務にあう人なのかを書面から見極める必要があります。
そのためには求職者に提出してもらう応募書類の内容(項目)が、大きな意味を持ってきます。応募書類の各記載項目が、選考の判断基準になり得る項目となっているか、求職者がそこに記載する内容を正しく理解できるようになっているか、これらが的確な人材を採用するためのポイントとなります。
求人機関側が独自様式等を用いた場合は、各項目に対して何が求めたい内容なのか、求職者が理解しやすいように必要に応じて記入例等を挙げ、記入しやすくしてください。
ただし、応募書類に対しては労働者本人の責任のない事項(本籍、出生地、家族、住居、生活環境等)の把握と、本来自由であるべき事項(宗教、支持政党、人生観、思想等)を求めるのは就職差別に繋がる恐れがあります。このため、採用選考に関係ない事項は求めないでください(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。

特定社会保険労務士 松林 慎二

Terms

用語解説

公正な採用選考の基本
事業主が応募者の基本的人権を尊重した公正な採用選考を実施するために、厚生労働省が定めた指針です。
(厚生労働省ウェブサイト「公正な採用選考の基本」 :
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm

※これは掲載時点での情報です。雇用制度は法律改正に伴い、変更される場合があります。最新の情報を常に確認するようにしてください。


2017年3月 制作