パラグラフ構造の読解
4-3パラグラフとパラグラフの関係
パラグラフ構造の文章では、1つのパラグラフには1つの主張を書くことが基本ルールですから、複数の主張を含む文章は、複数のパラグラフに分けて書かれています。そして、それぞれのパラグラフ間の関係もパラグラフ構造の関係となっています。
複数のパラグラフから構成される文章は、最初に全体の主張を要約したTSにあたる「導入パラグラフ」が示され、次にその内容を具体的に支えるSSにあたる「本体パラグラフ」があり、最後にCSにあたる「結論パラグラフ」で表現を変えて主張が示されるという構造になっています。次のパラグラフ間の関係の図を見てください。導入パラグラフで全体の概略として述べた内容を、本体パラグラフで各論に展開して具体的に掘り下げ、最後に結論パラグラフでもう一度強調してまとめるという関係です。複数のパラグラフで構成されていても、全体を通して大きな主張は1つだけです。
パラグラフ間の関係
科学論文は、原則としては、パラグラフ構造で書かれています。ここで、レッスン1で学んだ科学論文の本文の基本構成を思い出してみましょう。科学論文の本文は、“序文”に論文全体の概略が示され、著者がこの論文で主張したいことが示されるのです。つまり、この部分は論文全体の導入パラグラフです。そして、“試料と方法” “結果と分析” “考察”は本体パラグラフにあたります。“試料と方法” “結果と分析”を根拠として導かれた個々の主張が“考察”に書かれています。そして、“結語”は、結論パラグラフです。“序文”で述べた主張が、ここでもう一度整理した形で示されます。
論文の基本構成とパラグラフの関係の図